計画手法のイメージ 写真撮影:近代建築社 新井隆弘写真事務所
西洋の近代都市
花の都パリ エトワール凱旋門と放射状街路 出典:davidtijeroosorio.com 近代都市の課題と対応策 近代初期の都市問題 19世紀の西欧では、急激に人口が増加した。例えば、ロンドンの人口は、100年間に100万人から650万人に、パリでは50万人から300万人に、数倍の勢いで激増した。それは、科学技術の発展に伴う農業技術の進歩による食糧増産や、ジェンナーの種痘…
欧州の中世・近世都市
マンジャの塔から見下ろしたカンポ広場 出典:アーモイタリア シエナ公認ガイド:山本 春美 ヨーロッパ中世封建社会 封建社会は荘園制で成り立ち、騎士や貴族の荘園領主は、農民に対し徴税権を行使し主従関係を結んだ。 農奴に自由はなく、苦しむ貧困層を救済する役割は、活動資金を托鉢で集める修道会が担っていた。ドメニコ会やフランチェスコ会など、都市の周辺部に修道院を建てて活動を拡げた…
古代ローマ都市
フォロ・ロマーナ 出典:ウィキペディア 投稿者:Stefan Bauer, httpwww.ferras.at 大帝国にふさわしい都市 古代ローマは大帝国を築き、皇帝が公衆の面前に立つ都市広場が必要になった。それゆえ、ローマ建築は都市的性格が強い。 都市のコアとなる広場 ―フォルム― 古代ギリシアのアゴラを模範として、政治、経済、宗教生活の中心的役割を担う公共施設を…
古代ローマ建築
パンテオン 出典:unsplash photo by gabriella-clare-marino ウィトルウィウスの「建築十書」 ヘレニズム諸国を併合し大帝国を築いた古代ローマは、オリエントの文化や建築技術を摂取しながら、古代ギリシア建築を継承し発展させた。 紀元前1世紀、ギリシア建築を模範として踏襲し、建築を体系的にまとめた「建築十書」を初代ローマ皇帝アウグストゥスに献…
古代ギリシャ都市
アテネのアクロポリス 出典:pixabay(photo by sman_5 ) ポリスの誕生と自治政治 ギリシア文明は、紀元前8世紀ごろから発生したポリスと称される都市国家を基盤とした。王政から貴族政を経て、紀元前5世紀ごろには古代民主政に到達し、市民権を得た人々による自治政治が行われるようになった。自立性と独自性を有したポリス群が、ほぼ同様の祭事や価値観を互いに共有する緩やかな…
古代ギリシャ建築
パルテノン神殿 出典:ウィキペディア 古代ギリシア文明 紀元前3000年頃から、クノッソス宮殿を築き、エーゲ海のクレタ島を中心とするミノア文明と、ペロポネソス半島を中心に、巨石の城塞王宮や柱梁架構、円頂墓の遺構を残すミケーネ文明が栄えた。 ポリスが発展したアルカイック期(前776-前480)、ポリスの市民を主体とした民主政が高度に繁栄したクラシック期(前480-前3…
京都東山 石塀小路 その2
見えがくれに誘われる板塀の小路 出典:写真AC photo by Monks 前回お話したように、生命のDNAのように濃厚に絡み合う周辺との脈絡の中から生まれた思いのプログラムが、石塀小路の総体的なアイデンティティを生み出していることがわかりました。今回は、その独自の特性を成り立たせている空間構成の手法(技法)について、より詳しく探ってみたいと思います。 まとまりを感じさせる…
京都東山 石塀小路 その1
三層の石垣で構成されたタウンハウスの小路 photo by Kazuya2078(free photo:写真AC) 今も残る京都の風情のある小路 私は大学時代、情緒があって心惹かれる「小路」を探し求めて、京都市内を巡って歩き回り、自らの感性のアンテナを拠り所に50近くを選出し、実測作業を通じてその魅力の解明を試みました。 拙いながらも修士論文「京都における小路空間の…
Holistic Approach
これからの住環境や都市環境は、何を求められ、どのように変わっていくのでしょうか。 世界中がコロナ禍に巻き込まれ一年が経ちます。時代は世界人類に生き方や意識の変革を求め、新たなステージへ移行するよう誘導しているかのようです。私たちが変わるまでコロナは収束しない、今そんな声が聴こえてくるような状況さえ感じられます。 そのような中、建築や都市の空間はどのようなヴィジョンを描いて進んで…